高梁川水系と足守川水系の美カネヒラ
これはお盆期間の釣行記事だ。釣り紀行の記事のために一日も欠かさず釣りに出掛けた。
かなりのお馬鹿さん。しかも連日猛暑だった。いくら夏男だといっても無謀な釣行。
最も日差しのきつい昼過ぎに家を出る。当然、近所の人に話しかけられる。
「暑いね。墓参り?」と近所のおばさん。「いえ。釣りなんです」なんて答える。
「てっちゃん。墓参りかえ?もっと朝早う行きいな~」と同級生。「釣りじゃ」と答える。
近所の悪ガキは私が釣りに行くことを知っている。だからさらにたちが悪い。
「あっ魚バカじゃ。お~いサカナバカ。ウオバカ。サカナバカ。ウオバカ」
私はヤンキーには弱いがガキには強い。しかもガキの親が一般人なのは調査済。
「なんやとコラァ。ケツの穴からカネヒラ突っ込んで奥でヒラ打ちさせたろかワレェ」
そんな世間の目をかいくぐりながら猛暑の中、連日、タナゴ釣りに出掛けた。
今の時期のお目当ては婚姻色をまとったカネヒラだ。
特に高梁川水系と足守川水系のものが美しい。まずは高梁川本流でカネヒラを狙う。
さっそくアブラボテがお出迎え。成長した今年生まれのカネヒラも釣れてくる。
しかしここは高梁川本流。ガツンと力強い手ごたえ。成魚カネヒラがあがってくる。
おそらく二年ものか三年ものだろう。それでもゴマ一つ無い美デカヒラだ。
やはり高梁川産は美しい。ではもう一か所、美を求めて足守川水系に。
こちらの水系も美しさなら負けていない。水路なので中型サイズの個体が多い。
婚姻色をまとった美カネヒラが飽きない程度に釣れてくる。
ヤリタナゴ、アブラボテ、シロヒレタビラも顔を出す。
猛暑の中、時折り日陰に避難しながらの釣行。流した大量の汗で用水路が増水する勢い。
そんな悪条件の中、水面を割ってあがってくる婚姻色に癒される。
この至福の一瞬があるから、タナゴ釣りはやめられない。