用水路でも絶賛開催中のカネヒラ祭り
タナゴ釣りに出掛けた。遅い出発。高梁川がまだ濁流なのを確認。総社方面へ。
高梁川本流がダメなら足守川本流もダメだろう。ならば支流に流入する用水路はどうか。
どこも濁りが酷い。半年以上ぶりの久々の水路を覗いてみる。ここも濁りが酷い。
カネヒラが遡上していないか目を皿のようにして探す。
微かに護岸をつつく平べったい魚を発見。竿をだしてみる。
遅い出発のため、さらに場所を移動するのはしんどい。カネヒラよ居てくれ。
そんな心配は必要なかった。カネヒラが勢いよくあがってくる。
なんなら祭りが開催されていたらしい。ここの水路の個体は成長が早いようだ。
大きめの個体が多く、微かに色づき始めたオスも釣れてきた。
カネヒラとヤリタナゴが気持ち良く釣れ続ける。
その祭りがひと段落すると続けてシロヒレタビラが釣れ出した。
私はよく人に話しかけられる。釣りの終盤ごろ一人の散歩中の老人に話しかけられた。
「フナかい?小さいのかい?」「小さいのです」「ならタナゴかいな?」
なんて会話。老人が「釣れてるかい?」と言いながらバケツを覗いて驚く。
「こんなにかい?こんだけ釣れりゃあ楽しかろうに」
それから、「釣り針は何号?」「エサは何を使ようるの?」と質問攻めにあう。
「いやね。孫を釣りに連れてきてやりたいのよ。こんなに釣れるなら」
と満面の笑顔のおじいさん。私も釣り針の説明をしてエサの自家製黄身練りを見せる。
「これはどうやって作るの?」「卵の黄身に小麦粉を混ぜるだけです」
と説明すると、「そうかい。ゆで卵の黄身と小麦粉か。いやね。孫にね・・・・」
と話続ける。結局、ゆで卵の黄身ではなく生卵の黄身だと言いそびれてしまった。
あの老人は帰宅後、おそらく得意顔で孫にこう言うだろう。
「今度釣りに連れてってやるけ~の~。よう釣れるエサの作り方も聞いてきたけ~」
そして孫と一緒に「自家製ゆで卵黄身練り」を作るはずだ。
「おじいちゃん。パサパサだよ。上手に混ざらないよ」「あれれ。おかしいなぁ」
なんて光景が目に浮かぶ。
ちゃんと訂正してあげればよかった。でも問題はないだろう。
どうにか水分を加えてそれなりの「ゆで卵黄身練り」を完成させるはずだ。
そして孫と釣りにやってくる。その中途半端なエサを付けて竿をだすのだろう。
それでも必ずカネヒラは釣れてしまう。
だって川ではカネヒラ祭りが開催されているのだから。