誰が為の外道か

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足守川

まだ濁りはとれてないだろうな。そう思っていた。なのに調査釣行に出掛けるお馬鹿さん。

しかも、自宅の水槽の引越し作業をして、疲れ果てた身体で、昼下がりからの出発だ。

まずは高梁川を覗く。まだ増水濁り中。総社方面の水路へ移動。ここも増水濁り中。

挙句の果てに足守川本流まで足を延ばす。こちらも激流。濁りも酷い。

完全に迷走状態。仕方がないので、困った時の倉敷川水系に。

 

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倉敷川水系

倉敷川水系は濁りは取れていないものの、水流がほぼ無いのでウキ釣りには安心だ。

タイリクバラタナゴが多いオカメポイントで釣ってみる。

時間があまり無いので急いで竿をだす。ダメで元々のオカメ釣りだ。

しばらくしてウキが沈み込む。竿をあげるといきなりシロヒレタビラがあがってきた。

しかもオス。まだ婚姻色が綺麗にでている。なんという幸運。

続けてはヤリタナゴが連続で釣れる。そしてやっとタイリクバラタナゴが釣れ出した。

 

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シロヒレタビラ(倉敷川水系産)

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タイリクバラタナゴ(倉敷川水系産)

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タイリクバラタナゴ・ヤリタナゴ・シロヒレタビラ(倉敷川水系産)

釣りをしていると網でガサガサをしている二人組が近くにやってきた。

休憩がてら話しかけてみる。「何狙いのガサですか?」「ワタカの稚魚狙いです」

これは珍しいガサーだ。興味津々で話し込む。バケツの中も見せてくれた。

そこには普段私が外道として撮影もせずにリリースしている魚たちの稚魚で溢れていた。

 

フナ、モツゴ、モロコ、ハヤなどなど。見事なまでにタナゴ以外の稚魚たちだった。

「昔はタナゴも飼ってたんですが、今はそれ以外を飼うのが楽しいですね」

と言って、今日わざわざ吉備高原でガサってきたというムギツクの稚魚を見せてくれた。

まだ1センチくらいの稚魚なのだが、もうちゃんとムギツクの体色をしていた。

「ムギツクが好きなんです。でも一番のお気に入りはズナガ二ゴイです」

 

世の中には様々な趣味をもつ人がいるもんだ。別世界を覗き見たようでしばし感動。

私はタナゴ以外が釣れると外道扱いで、なんなら舌打ちしながらリリースしている。

いけないなと思った。私にとっては外道でも、別の人にとっては宝物だ。

次回から外道が釣れても、満面の笑みで針から外し優しくリリースしよう。

 

二人とお別れして、あと少しだけ竿をだしてみた。運悪くブルーギルが釣れてくる。

満面の笑みで針から外し、虹の彼方へ放り投げた。