黄身練りに導かれしシロヒレタビラの乱舞
黄身練りという新たな武器を手に入れた私に、もう怖いものはない。
この武器がシロヒレタビラに通用するのかどうかを確認すればそれで全て終わる。
高梁川の某所へ。やや増水ぎみだ。
さてシロヒレタビラは自家製黄身練りの味が気に入ってくれるのか?
でも、何の心配も要らなかった。いきなりシロヒレタビラが釣れてきた。
でもまだ結論を出すには早い。
シロヒレタビラのメスも黄身練りがお気に入りのようだ。
メスもコンスタントに釣れてくる。嬉しいような、少し悲しいような・・。
でもまだ結論を出すには早かろう。
歴戦の強者も難なく黄身練りに飛びついてきた。
8センチ級のビッグボスだ。喧嘩に明け暮れた強者も黄身練りの前ではただの魚。
黄身練りや兵どもが夢の跡。
もうなんぼでもシロヒレタビラが釣れ上がる。
自家製黄身練りの力恐るべし。嬉しいような、すごく切ないような。複雑な心境。
どうやらグルテンの倍は釣れる。グルテンの倍は喰い付きが良い。
まだまだ粘れば釣れてしまう勢い。しかしここで終了する。結論に達した。
今まで一年間何をやってきたのだろう。なにがグルテン王子だ。
でも、もしかすると、たまたまシロヒレ祭りが開催されていた可能性だってある。
シロヒレ祭りなど開催されていませんでした。その倍以上、アブラボテが釣れている。
ただ、黄身練りというエサが優秀なだけだ。タナゴなら全体的に釣れるようだ。
まさに万能エサ。その万能さに一年経ってやっと気付いた哀れな釣り人がひとり。
高梁川の至宝がこんなに沢山釣れたのに、肩を落として川を離れる釣り人がひとり。
グルテン王子とは何だったのか。
ひとり呟く。