タナゴ釣りの上達の鍵はバラタナゴが握っている
タナゴ釣りを自粛してもよかったのだが、あまりにも天気が良いのでタナゴ釣りに。
ただ、天気は絶好なのだが風が強い。バイクだと走行中にハンドルを持ってかれるレベル。
一抹の不安を抱きつつ倉敷川に。倉敷の市街地はかなりの渋滞。花見をしてる人もいた。
どうやら岡山県民は誰一人自粛なんてしていないらしい。
倉敷川に到着。さっそく竿をだす。するとさっそくヤリタナゴが釣れてくる。
なるほど。今日も調子が良さそうだ。なんて思っていたのだが、後が続かなかった。
風が強すぎて異様に釣りにくい。困ったぞ。さらに自粛してない倉敷少年に話かけられる。
「なに釣ってるんですか?」「小魚だよ」「さっき向うで雷魚と鯰が釣れましたよ」
なんていうやりとり。落ち着かないので場所を移動することにした。
倉敷川の別のポイントにやってきた。まさにどぶ川。ほぼ止水状態のポイントだ。
ここにはバラタナゴもいる。滅多に私の竿にはかかることは無いが、居るには居る。
さっそく竿をだす。すると再び、自粛してない倉敷老夫婦に話かけられた。
「何が釣れますか?」「小魚です」「フナとかですか?」「まあ、フナも釣れますよ」
なんていう適当なやりとり。すると倉敷老婦人が、
「ヌートリアが・・うふふ・・むこうで大きなヌートリアが・・うふふ」と笑う。
「たまに見ますね」と答える。どうでもいいが、私は本当によく人に話かけられる。
倉敷老夫婦を軽くさばいて釣りを続ける。するとシロヒレタビラが釣れてくる。
婚姻色がそこそこでているオスだ。美しい。
釣っていると結構な人数がわいわいがやがやと通り過ぎていく。
皆さん自粛してなくて大丈夫なんだろうか。ちょっと不安になる。
続いて釣れてきたのはシロヒレタビラのメスだ。ここまではなかなか調子がよかった。
調子はよいが全体的にアタリが小さい印象。おそらくバラタナゴたちが多いのだろう。
よって針を極たなごに変更。エサを小さく付けてバラタナゴを狙う。
私は下手くそなのでバラタナゴを釣るのが苦手だ。
昨年の初夏ごろ祇園用水に行った時のこと。話かけられた初対面のベテラン釣り師に、
「その仕掛けじゃ釣れないでしょ?特にバラとか釣れないでしょ?だろうね~」
なんて言われて号泣した懐かしい思い出がある。
その頃からは少しくらいは上達したはずだ。見とけよこのやろう。えいっ。
適当に合わせていたら本当にバラタナゴが釣れてきた。メスだ。
まあ。釣れたというよりは偶然引っかかっただけの印象が強いのだが、バラはバラだ。
自己満足に浸りながら釣りを続ける。遠くから倉敷親子が来る。パパが歌う。
「ちゅうかりょ~り~。ちゅうかりょ~り~。中華料理をみんなで食べよ~よ~」
中華料理倉敷大会2020の公式テーマソングだろうか?おそらくドリカムあたりだろう。
クソみて~な曲歌ってんじゃね~よ。なんて思いながら適当にアタリに合わせる。
するとバラタナゴのオスが釣れてくる。これはもう本物だ。腕が上達したに違いない。
長かった。あの涙した日からかれこれ一年間弱。いっぱしのタナゴ釣り師となった。
水路脇を倉敷元ヤンキーママが三人の子連れで歩いてきた。次男が走って近寄ってくる。
「すみませ~~ん。フナ?ねぇフナ?」と聞かれる。間髪を入れずヤンキーママが叱る。
「こらっ。足音立てたら魚が逃げるでしょ。ダメよ。行くよ」
倉敷ヤンキーママはひょっとしたら私以上のベテラン釣り師なのかもしれない。
適切な指摘が素晴らしい。倉敷名物のヤンキーママも捨てたもんじゃない。
ちょっといまいちな釣果だったが、ほのぼのとした雰囲気に救われた。
シロヒレタビラのペアとバラタナゴ3匹といった内容。まあよしとしよう。
そろそろ竿を納めようと思っていた時、再び倉敷ヤンキーママ御一行が戻ってきた。
また次男が走ってこちらにやってきた。
「すみませ~~ん。フナ?・・フナ?」返事に困っているとヤンキーママが大声で、
「ゴラァァァ。音たてちゃ~おえんよ~ろ~が~。魚が逃げようが~。はよこいっ」
と次男を回収し颯爽と立ち去っていった。
やはり倉敷のヤンキーママは凄い。