春の陽気に誘われてタナゴ釣りに
今回の連休は気温がグッと上がり絶好の釣り日和となった。
同時にツーリング日和でもあるので、バイクでツーリング。途中で用水路に立ち寄る。
冬の間に倉敷の用水路からは軒並みタナゴたちは姿を消した。
バイクで走りながらいろんな用水路を覗いて回ったが、どこも魚影は見えなかった。
汗ばむくらいのぽかぽか陽気だが、魚たちにはあまり影響はないみたいだ。
ぐるぐると用水路を巡り、最終的には「ヤリの谷水路」にやってきた。
水は汚く濁っており魚影は見えない。でもせっかくだから竿をだしてみる。
竿をだすとすぐにアタリはあった。でもアタリはあっても針になかなか乗らない。
夏場のように我先にエサに食いつき飲み込んでしまうかんじではないようだ。
たまに運よくヤリタナゴが針に乗ってくる。色づき始めたオスも釣れてくる。
すると、先週同様にコロナ対策で無観客状態で釣っていたのだが、突然話かけられた。
自転車に乗った20代前後の若者だ。見た目は岡山名物のDQNヤンキーそのもの。
「何が釣れるんですか?」と聞かれた。
「小魚が少しだけです。すみません。殴らないでください」と答える。
「こんなとこに小魚いるんスねぇ。凄いスね」とえらい興奮している様子だった。
「夏場ほどはいませんが少しだけならいます。ごめんなさい。蹴らないでください」
なんて答えていると、その自転車DQNヤンキー若者は、
「これはこれは。釣りの邪魔しちゃいましたね。すみませんでした。頑張ってください」
と言って立ち去っていった。運よく殴られずに済んだ。やさしいヤンキーだった。
結局、あまり釣れなかった。ヤリタナゴが6匹だけ。アタリは多いが渋かった。
写真を撮影してると再び話かけられた。今度はおじさんだ。
「何が釣れるんですか?」「小魚ですね」なんていう定番のやりとり。
するとおじさんが「タナゴとかですか?」とおっしゃる。
「タナゴをご存知なんですか?そうです。ヤリタナゴが釣れるんです」と答えた。
おじさんは興味深そうにバケツを覗きこみ、
「凄いですね。タナゴ釣りですか。タナゴ釣りをしてる人と初めて会いましたよ」
と感動してらした。岡山県はタナゴ王国なのだが、タナゴ釣り師は決して多くない。
そのおじさんといろいろ話をして別れた。最後におじさんが、
「前から少し興味があったんです。私もタナゴ釣り始めてみようかな」
とおっしゃられていた。
こうやって少しずつでも、世間のタナゴ釣りへの認識が高まっていくといいなぁと、
思いながら家路についた。