これからタナゴ釣りを始める初心者に二級釣り師が伝えたいこと

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タナゴ歴は長い。しかしタナゴ釣りは始めて1年ちょっと経過したに過ぎない。

そんな二級釣り師が毎週のように釣りに出かけて、今までに学んだことを書いていきたい。

まずは「タナゴ釣り」といっても2種類ある。「オカメ釣り」と「在来種釣り」。

関東ではオカメ釣りのことを主にタナゴ釣りと言う。

だから市販の道具などは関東が標準なのでオカメ釣りに適した作りになっている。

実際には「オカメ釣り」と「在来種釣り」は全く別の釣りといっていい。

 

「オカメ釣り」は基本、タイリクバラタナゴだけを釣るタナゴ釣り。

タイリクバラタナゴだけが生息している池などで数や小ささを競う繊細な釣りだ。

西日本では「在来種釣り」がタナゴ釣りと呼ばれている。

ヤリタナゴ、アブラボテ、シロヒレタビラ(タビラ類)、カネヒラ、が中心だ。

これら4種にタイリクバラタナゴを加えた釣りをタナゴ釣りと言う。

 

要するに、自分の住んでる都道府県、釣りに行ける行動範囲、などでどちらかを判断する。

岡山県ではオカメ釣りをすることが逆に難しい。生息数が在来4種より遥かに少ないからだ。

このように、近所にはどんな種類のタナゴが生息しているのかを知ることがまず重要。

それが判ったら、次は道具や餌となる。

 

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道具や餌の前に、この2種類のタナゴ釣りを数値化してみる。

「オカメ釣り」は、場所 5 技術 3 道具 1 餌 1 くらいの配分だろうか。

「在来種釣り」は、場所 9 技術 0 道具 0 餌 1 だ。誰でも簡単に釣ることができる。

逆にタイリクバラタナゴだけを釣るとなると上手な人と初心者では差がついてしまう。

 

オカメ釣りでは道具は、短めで繊細な竿が良い。80~120くらいが多いようだ。

仕掛けは市販のもの(0.3号)で対応できる。針は最も小さいものを使う。

在来種釣りでは、竿は何でもいい。180前後のものでできるだけ軽ければなお良い。

180前後ならば大抵の用水路で対岸まで届く。針は新半月を使えば素人でも釣れる。

問題は仕掛け。市販の0.3号ではタナゴ以外が掛かったときに簡単に切れてしまう。

0.5号くらいの糸で自分で作った方が良いし、安価だ。これならブルーギルにも対応できる。

その糸に、ウキとオモリとハリス止めさえ付いていれば釣りになる。

シモリ(糸ウキ)は無くてもいい。どうせ見えないから。あくまでも在来種釣りでは飾りだ。

 

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餌はどちらの釣りも、どの種のタナゴでも、圧倒的に黄身練りが優秀だ。

タイリクバラタナゴでも黄身練りと競技用グルテンで差はなく釣れる。

在来種ではその差は歴然。釣れる数が1.5倍にはなるだろう。

タナゴグルテンが唯一いい勝負するのはシロヒレタビラの成魚だけ。限定的だ。

外道各種も同様。どの種の魚も黄身練りの方を好む。

タナゴグルテンの方を好むのは外来のブルーギルだけだ。

よって、初心者は黄身練りでタナゴ釣りを始めることを勧める。自家製黄身練りでよい。

 

二級釣り師だからオカメ釣りの技術に関しては教えようがない。

場数を踏んでコツを掴んでいくしかない。オカメ釣りばかりをやってればいずれ慣れる。

一方、在来種釣りでは技術は要らない。二級釣り師でも釣れるのだから初心者でも釣れる。

タナゴ各種の釣りやすさを簡単に説明する。

アブラボテ・シロヒレタビラ>>ヤリタナゴ>>>カネヒラ>>>>>>>>>タイリクバラタナゴ

くらいの感覚だ。アブラボテとシロヒレタビラ(タビラ類)が圧倒的に釣りやすい。

というのも、餌に喰らい付いて引き込んでくれるからだ。後は竿をあげるだけ。

次いでヤリタナゴ。絶対数が多く数釣りができるのだが、餌への喰い付きがやや軽い。

よって針先に微かに掛かっていることが多く、水面からあがってからはじいて逃げられる。

次いでカネヒラ。喰って引き込むタイプとフワフワ喰うタイプがいるのでややこしい。

前者は簡単だが、後者ならばフワフワしてるうちに合わせてやる必要がある。

これら4種よりも圧倒的に難しいのがタイリクバラタナゴというわけだ。

 

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在来タナゴ釣りでやけに道具や仕掛けにこだわる人がいる。(ターナ法王のことではない)

でもそれらは無意味。特に初心者ならば簡単に始められて簡単に釣れたほうがいい。

お金をかける必要は全く無い。それらは経験を積んでから次のステップだ。

私は道具にお金を全くかけていない。竿は千円前後で買えるもの。仕掛けは自家製。

釣り人が使ってる竿なんて誰も見てないし、気にもしてない。

 

もし、釣り中に、若くて可愛い女の子に話かけられ、

「すみません。釣りですか?とても良い竿をお使いなんですね。撮影してもいいですか?」

「ちょ~綺麗な竿。映えますね。あの。え~と。あの。連絡先の交換は可能ですか?」

「もし、なんですけど。もしお暇でしたら、私のことも釣り上げてもらえませんか?」

なんてことが起きるならば考え直さなければなるまい。でも実際には起こらない。

釣り中に話しかけてくるのは、近所のおっさんかヤンキーだけだ。どうでもいい。

 

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オカメ釣りに関しては、特に関東では著名な釣り場がたくさんある。

特に場所探しに苦労することもないだろう。

在来種釣りでは上記のように場所が9割だ。場所選びさえ正解ならば誰でも釣れてしまう。

釣れる場所、もっと釣れる場所、入れ食い状態で釣れる場所、を探す作業。

ほぼこの作業だけで在来タナゴ釣りは完結する。

あとはそこで新半月の針に黄身練りを付けて竿をだすだけ。

勢いよくウキが沈み込み、竿を上げると、綺麗なタナゴが水面に姿を現すことだろう。

 

道具にお金をかけるくらいなら、そのお金をガソリン代に使ってみよう。

いろんな河川や水路を探索する。魚影を確認したり、試しに竿をだしたりしてみる。

ほとんどは外れかもしれない。(岡山県ではほとんどが当たるが)諦めずに探す。

面倒な作業だが、意外とこれが楽しい。実はタナゴ釣りの醍醐味はこれなのかもしれない。

ちょっとした小旅行だ。自然の中で小さな自然を探す旅。

だからタナゴ釣りは面白い。